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奇怪 自転車 奇怪 自転車

■何かの痕跡


 山陽本線の八本松駅にて。


 写真は自販機のスペースを囲う板なのだが、明らかに何かが貼ってあったような痕が‥‥‥‥‥‥‥‥。
 なんだろう、この形といい、すごく不安になる何かがある。


 そんなものにカメラを向けて喜んでいる自分は、まるで悲惨な事故を見て喜んでいる野次馬のようだ。



■スピードの星


 話は大きく変わる。
 今日気が向いて土手を走っていたときに、いつものようにがんばる自転車たちを追い抜いて走っていた。
 すると、ある地点でついさっき追い抜いた男がなかなかのスピードで抜き返し、更に女子高生の隙間を縫うようにして前方に離れていく。


「フッ、‥‥‥‥元気のいい奴よ」


 男はマウンテンバイク。おれはJETSTREAM。挑む。
 こういうときは無理に追い抜くよりも適当に距離を置いて後ろを走っている方がいいものだ。しばらく様子をみる。
 男、思いの外速い。ママチャリの追い抜き方を見ているとスピード狂ぶりが伺える。
 辛い戦いを覚悟した‥‥。


 走る。私はなるべく体力を使わない方針で男が疲れるのを待っていた。が、男、‥‥なかなかタフじゃないか。
 そうこうしているとこちらがバテてきた。
 男、徐々に離れてゆく。粘る。
 やがて体力尽き、男のテールランプが星と同じになっていった。


「して負けた!‥‥‥‥‥‥‥‥レースを」


 なかなか競い甲斐のある男だった。いや、漢だった。