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極限形態

奇怪

性格について

 うちにいる猫もだいぶ歳を取ってきた。そのせいか、性格も角がなくなってきた様に思う。


 人も歳を取ると大抵は性格が丸くなる。それは長い人生の結果勝ち取った寛大さかもしれないし、もともとそうなるものなのかもしれない。
 どちらにせよ角がない人の方が接しやすいものだ。

角が減るとどうなるか

 では、最終的にはどのような形になるのだろうか?


 このことについては2つの説がある。角が取れていって次第に滑らかな面になり、最後には球になるという説と、滑らかになりつつも重力に負けてだんだん平らになっていくという説だ。
 どちらの場合においてもその変形速度は非常に遅く、3〜5億年は掛かると見積もられている。そのため実際に滑らかな面を持つブッシュ大統領を見ることはできないが、それだけ長生きできる特殊な場合にはこの効果は無視できないものとなる。



 このことについて、私は球体派の立場から研究を進めている。


 まず、球体派と平面派の根本的な相違は、自身の張力と重力の効果が極限的にどちらが支配的な力となるかという点だ。
 張力の方が強い場合は角がなくなる要因は張力である事になるので、最終的には球体に無限に近づいて行くことになる。重力の効果のほうが強い場合は、角がなくなるのは張力とともに重力も要因となるので、最終的には有限の広さを持った平たい形になることになる。


 長い間この2つの説でもめてきたが、私とジョンが発表した特異形定理により大きく状況が変わった。
 この定理は、これまでのエネルギー保存則に加え、量子力学的な揺らぎによりある領域において一定量の熱力学的な情報が保存されるというものだ。
 2つの説のどちらの場合も完全に滑らかになるという点で違反する事となり、修正が必要となった。


 この事により、平面モデルにはごくわずかな厚みしかないためいくつかの矛盾が起こり、平面派は多くの修正を迫られる事となった。


 それでもまだ球体論を証明するには不十分である。
 問題は重力による効果と張力との関係なのであるが、プランクスケールにおける重力効果についてまだ明らかになっていないためだ。


 この問題を解決する最も手っ取り早い方法は、実のところ自分が数億年生きてみることなのですが。